映画『Space-Buddha 4bidden sutrA(邦題:スペース・ブッダ 4 -禁断経典-)』
スペース・ブッダ 4 -禁断経典-
原題:「Space-Buddha 4bidden sutrA」
ストーリー概要
銀河を巡礼していたスペース・ブッダは、辺境の惑星で不思議なイチジクの葉を見つける。
そこには「宇宙経典」の文言が刻まれていたが、よく知られた経典とわずかに異なっていた。
その後、彼は旅の先々で次々とイチジクの葉を発見する。どの葉も経典に似て非なる言葉を伝え、やがて「禁断の経典」へと収束していく。
イチジクの葉は「アダムとイブが楽園を追われたときに身につけたもの」と伝えられていた。もしこれが真実ならば、宇宙のどこかに 禁断の経典とともに“禁断の楽園”が存在するのではないか?
スペース・ブッダはその謎を追い、光に包まれた異界の領域――禁断の楽園へと辿り着く。
禁断の楽園の中心にあったのは、スペース・ブッダ3で登場した兵器「アルティメット・科挙」の残骸だった。そこでは怨念を宿した「コア」がまだ生きており、スペース・ブッダが触れた瞬間、彼に激しい渇きと飢えが襲いかかる。そして脳内を駆け巡る謎の声。
「……マナを喰え! 喰らえ!……」
ブッダは誘惑を拒み、残骸を踏み砕いて今度こそ完全に「アルティメット・科挙」を破壊する。
安堵したブッダは楽園を後にするが、画面には黒い亀裂が静かに広がっていく。
そして微かに聞こえるのは、あの声――
「……まだ……まだ足りぬ……」
銀河に新たな禍根が残されたことを観客だけが知り、不穏な余韻で幕を閉じる。
販促サイトよりあらすじ
『イチジクの葉に刻まれた文字が、彼を“禁断の楽園”へと導く』
銀河の果てに漂う奇妙な葉には、宇宙経典に酷似しながらも異なる言葉が記されていた。
その謎を追うスペース・ブッダは、ついに禁断の楽園へと辿り着く。
そこで彼が目にしたものは禁断の経典か、それとも――。
イチジクの葉に刻まれた宇宙経典の文字、
それが導くのは禁断の経典か――それとも禁断の真実か。
映画評論サイトおよび各誌のレビュー:
「宇宙神話とB級感の融合」
『スペース・ブッダ4』は、禁断の楽園を舞台に“アルティメット・科挙”の亡霊を絡めた奇抜な物語で、観客を困惑させつつも妙に引き込む力がある。イチジクの葉という寓話的モチーフを銀河SFにねじ込んだセンスは、正気と狂気の紙一重。過剰で荒唐無稽だが、それこそがこのシリーズの本領だ。
――Film Galaxy誌
「哲学的ホラーとして成立してしまった」
本作はB級ギャグ映画の皮をかぶったコズミック・ホラーである。禁断の楽園の描写は不気味な美しさをたたえ、観客を心地よく不安にさせる。渇きと飢えに苛まれるブッダの姿は、寓話的かつ恐ろしく、シリーズの中でも際立つ異色作だ。これを“真剣に”作ったスタッフには狂気じみた尊敬を送らざるを得ない。
――CineMag
「意味深そうで意味がない」
イチジクの葉や禁断の楽園といった象徴的モチーフを大量投入しているが、結局どれも回収されない。アルティメット・科挙の残骸という唐突な登場も観客を混乱させるだけで、哲学的な深みは皆無。雰囲気だけの作品であり、退屈と困惑が残る。
――Film Critic Weekly
「シリーズ最も中途半端な作品」
『4bidden sutrA』は、シリーズの持ち味である悪ノリと壮大な茶番のバランスを欠いている。シリアスに振り切る勇気もなく、笑わせる仕掛けも弱い。終盤の“不穏な声”は次作への伏線と見せかけた投げっぱなしで、観客は置き去りにされたままだ。狂気的カルト映画としての魅力は薄い。
――Cinematic Reviews
総評
『スペース・ブッダ 4 -禁断経典-』は、シリーズの中でもっとも意味深で不気味なエピソードとして位置づけられた。
賛否両論が激しく、一部のファンからは「哲学的ホラーB級の傑作」と讃えられる一方、批判派からは「迷走の極み」と切り捨てられる。
いずれにせよ、銀河規模のカルト映画としての地位は揺るがない。